チンパンジーえにっきイメージ

岡山県玉野市にあった類人猿研究センター(GARI)で研究のパートナーとして暮らしていたチンパンジー8人。
彼らのようすを、写真を添えてつづってきた2004年8月から2013年3月までの「えにっき」の記録です。

2005.3 「遊びの発展」

「今日は寒いけど、なんかすがすがしい天気~。今、みんなは何してるんだろう?」 そう思ってカメラを持ってみんなの様子を観察しに外へ出ました。

「ん?何やら長いひものようなものをミズキが口にくわえている・・・。」
よく見ると、植物のつるのようでした。おそらく、第一放飼場の山で採ってきたのでしょう。 数分もしない間に、今度はそのつるを使ってミサキと遊びはじめました。

つるをムチのように使い、バシッバシッと叩いたり、 つるを取り合ってミズキとミサキが綱引きをしたり、 その後も追いかけっこに発展したり・・・。

笑い声をあげながら、とても楽しそう。 私が見ている間だけでも、遊びはどんどんと形を変えていきました。 また、二人の間でさらにおもしろい遊びを見ることができました。

レスリングがもつれ、ミサキがミズキの背中に覆いかぶさり・・・、 そのまま馬乗りになり・・・、

踏み台にして・・・、

ジャ~ンプ!!

ミサキのジャンプした方向に何か欲しい物があるというわけでもなさそうでした。
本当にただの遊びなのでしょう。

「チンパンジーが、チンパンジー同士協力をして1つのことをする」のかどうか、詳しいことはまだわかっていません。
いつか、「1人では届かない高いところのものを取るため」の協力行動としてこの「踏み台」が見られたらとても興味深いことだと思います。

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